万物に片想い!!(byいわしー)

役者でプログラマーでなまけもののブログ

*どこにもいない、あなたへの手紙

拝啓

 

お元気ですか。わたしは多分、元気です。

最後にあったあの日から、もう4年でしょうか。

あの頃の日々はわたしにとって今でも大切な思い出です。

 

あの日の次の日は雲ひとつない青空で

わたしは自転車にのっていて

イヤホンからはエルレガーデンがながれてて。

ああ、このままこの曲がエンドロールで、終わりだったら最高なエンディングなのに

なんて思ったことを思い出します。

あの数年間があまりにもキラキラしていたこと

そしてこれからはそうでないこと

そのうえこの先の人生の方がずっと長いことが

ただただひどく虚しくおもったのです。

 

あなたもそうですが、

今ではわたしも社会人です。

退屈で野暮ったい駄作な第二章とわかっていながら

しかたなく生活をしていたわたしには

当然仕事なんてうまくできるはずがありませんでした。

あの日々の素晴らしさを証明するために

わざわざ今の日々を最悪な日々にしているかのようでした。

 

この感情も、時間がどうにかしてくれると、

そう思っても

そうやって忘れてしまうことですら

わたしにとってはとてもつらいことで

もうどうなっても素直な気持ちで笑える人生はこないのだと

本気でそう思ってしまったのです。

 

ところで最近は少し肌寒くなってきましたね。

わたしは寒いのは苦手なので冬が来るのは少しおっくうです。

ただ、わたしはセミも苦手なので、セミがいない季節に少しほっとしています。

本当に自分勝手な人間です。やさしい人に甘えて、

自分に都合のいい環境に身をおきたいだけなんです。

 

わたしはひと月前、仕事を辞めました。

やりたいと思って入ったはずなのになにもできませんでした。

ここ最近はタバコを吸うくらいしかやることがありません。

ほんとうにもう終わって欲しいと思います。

なんでまだ生きているのか自分でも不思議に思うことがあります。

けれどもなんで

なんでまだ

かろうじて生きることをやめずにいられるのか。

それはあなたと出会う前のわたしも

今のわたしと同じだったからです。

もうこの先の人生、一度も笑うことはないと

本気でそう思っていたわたしが

ほんの短い時間でも、

心から

生きていて良かったと思えて

夢にもみなかった夢のような日々に

出会えたから。

だから今もきっと

きっとまだ思いもしないような

あなたと出会ったような

そんな日が来ると

きっと、きっと、って

願っているんです。

 

少し大げさでしょうか?(笑)

そうですよね。こんなことを手紙に書かれても困ることはわかっています。

だから、本当はさよならをいいたかったんです。

 

あの日々をこんなに大切に思っているのはきっとわたしだけです。

わかっているんです。けれどわたしにとってはあの時しかなかったから。

だからもうこんな迷惑な手紙を書いてでも

もうちゃんとお別れしたかったんです。

大丈夫だって。この先もし幸せになれてしまったとしても

あの日々は壊れないと。そう信じて。

 

ありがとう。さようなら。

あなたのことはきっと、

忘れてしまっても、覚えてます。

 

お体に気をつけて。どうかお元気で。

 

かしこ